短夢終日

□あたしの体温、あたしの気持ち
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「一護ォ」

太陽が沈みかけてオレンジ色に染まる教室の中、一人机に突っ伏してスースー寝息を起てている同じオレンジ色の頭の男の子。最近授業中もよく寝てるし(おまけに便所って言って抜ける)、夜更かしでもしてるのかなァ。
てゆーかァ…これが増えてから織姫とも仲よさ気だし、ちょっと妬いてたりする。だってあたしは織姫みたいなミラクルな絵の才能もないし、おっきーな胸もないしィ…あ、なんか自分で言って悲しいかも。

「一護、起きなよ」

気持ちよく眠っているところ悪いけどいつまでもこんなとこで寝かしてる訳にいかないから、ゆさゆさと肩を揺らす。もう少し…なんて聞こえて少しどきっとした。なんか…寝顔かわいーんだけどォ。
ふと、つんつんな髪の毛を指に絡ます。あたしは髪真っ黒だから、こーゆー明るい色に憧れるんだよねェ。それにしてもよく寝てるなぁ、って手首掴まれた(わぁお)。おまけに目が合うとうお、なんて声あげられたんですが。

「やっと起きた」
「え、何お前ずっといた?」
「んーん、さっき来たァ」

よく寝てたよォって言えば、寝不足とのこと。分かってるなら大人しく家帰って寝てればいーのに。でもあたし的には折角一護と二人っきりなんだから、もうちょっと一緒にいたいんだけどねェ。なーんて、彼女でもないのにそんなこと言えないもん。



「(げっ虚!)あ…っと俺帰るわ、さんきゅ…っ!」

だから言葉に出来ない変わりに行動で示してみるの。
肩に鞄を担いだ一護のお腹に顔を埋めてぎゅーっと力を込めた。小さく呼ばれた名前にも(疑問符付きだけどォ)、なんだか愛しさを覚えた。

ねえ一護ォ、伝わってる?




あたしの体温、あたしの気持ち
(…優先すべきはこっち、だよな)






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(0808)
補足:虚は雨竜やチャドに任せたのです。

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