☆文章☆
□●夢の続きは本当の幸せ●
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人に、本気で憎しみを込めた瞳で見つめられた時…心の底から逃げたいと思った。
そして、もちろんあたしもその人を憎んだ。
…けど、何も出来ない。
憎んだ相手を傷つけるのが嫌で。
とんでもない綺麗事。
だけど…あたしは、そう思っちゃうんだね。
派閥へ連行。息苦しい毎日の生活。強制された環境と周りの刺々しい視線は、あたしをあたしでなくした。
とりあえず笑わなくなったし、誰も信用しなかった。
だって…あたしの名前は成り上がりじゃなくて、トリスだから。
けどそれは
あなたに出会うまで。
初めは、嫌いで仕方なかったの。口うるさくて、
あたしなんかほっといて!!
何回言ったんだろう。
その度にたくさん喧嘩した。
あたしはあなたに、過去から守られているとも知らずに。
旅に出る。それはあなたとの別れと思ってた。
悲しかった。
けどそれはあなたとの時間が増える結果になった。
ついてきてくれる…仕方なしだとしても…側にいてくれる…。
それがどんなに嬉しかったか…。
壮絶な戦いが待ち受けていたけれど、あなたと得た大勢の大切な仲間達と乗り越えた。
そこには――――――――――あなたがいない。
二年待った。あなたが生きてると思って…ううん、思い込まなければ…あたしはまたあたしでなくなるから。
一緒にいたい。温もりと声をちょうだい。あなたの姿を幻影で見るのは辛すぎるの……。
しばらくの間、叫んで目覚め、その恐怖で眠れなかった。メルギトスとの戦いよりも…あなたのいない生活が怖いの。
会いたいよ…ネス。
「トリス?」
「ん…。」
温い日差しの中で目が覚める。飲みかけのグラスに水滴が光に反射して