☆文章☆

□●僕らの愛のカタチ●
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「トリス?入るぞ?」

返事が無いということは、どうせ本に突っ伏して寝ていると思いネスティはお構いなしにドアを開ける。

彼女はきちんとした姿勢で本を開いて読んでいた。だが、日が落ちつつあるこの時刻に灯も燈さず、ただじっと本を見つめている。ネスティは側へ歩みながら言う。

「起きているなら返事くらいしたらどうなんだ。明かりもつけずに…。」


「………ネス………。」

深刻な声。ネスティはドキッとしたものの、冷静を保つ。

「なんだ?」


「……いが…。」


「え?」


「愛が……欲しいの。」

トリスは立ち上がる。すかさずネスティへ抱き着いて、そのままベットへ無理矢理押し倒される形になった。

「…っ!!トリス!?悪ふざけはやめ…っん!?」

彼と彼女の初めてのキス。唇と唇が重なり、トリスの妖艶な表情が目の前にいっぱいになる。

「ネス愛を教えて。」

「な、な、何を言ってるんだ!!」

ネスティは顔を真っ赤にして完全に混乱していた。初めてキスされ、なおかつ気になって仕方がない女の子から、こうして迫られている。人生に一度あるかないかの事だろう。

何も考えられないうちに、トリスは服を勢いよく脱ぎだす。

「…ぁ…。」
思わずネスティは小さく呟いた。
発育しきれていない小振りな胸が露わになり、完全に釘付けになっているネスティにトリスはもう一度短くキスをした。

「ねぇ、お願い。教えて。愛って何?」


まずい…まずいまずいまずい………っ!!!
…こんないきなりで、成り行き任せにトリスを抱きたくない!!

ネスティはその、海より広く山より高い頑丈な理性を破壊する事なく、トリスの両腕を掴み、とりあえずは彼女をベットに押し倒す。

トリスは抵抗せずに、ただじっとネスティを見つめた。

「トリス。落ち着くんだ。君は…こんな形で僕と…、…その…。」

「ネスの…身体を感じて…愛を知りたいの。」

即答される。
だが、ネスティはその言葉に怒りを感じた。

「そんなもの…っ愛なんかじゃない!」

「!」

「僕は…ただ、君が側にいて、たわいも無い話しをして…時々ふざけて…そういうことが、幸せで愛なんだと思っていたが…君は違ったのか?
こんな行為一つで…っ、愛情表現か!?
僕らの関係はそんなものだったのか!!?」
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