☆文章☆
□●家族の絆●
2ページ/3ページ
「そなたの様子が不自然であったのでな。こうして訪ねたのだ。」
「そぉ、なんだ。ありがとね。」
失礼する、とセイロンはフェアの座っているベットへ腰掛ける。
「私ね、ダメ親父がいなくて…エリカもいなくて…ましてやお母さんがいなくたって…、今までやってきたの。やってこなくちゃ、死ぬしかないから。でもさ…やっぱダメなの。家族って温か過ぎて…。」
喋る事で堪えた涙が行き場所をなくして頬を伝う。セイロンは薄く微笑んでからフェアを抱き寄せた。
「なくならぬよ。」
「ぇ?」
「そなたの得た家族は、側にいなくとも絆がある。こうして集結したということは、魂が自然と呼び寄せ合う為なのだ。何があってもいつかは出会ってしまう程…それは絶対だ。」
セイロンの指先がフェアの涙を拭う。
絆があるから…。
ああ、私…コーラルにも同じ事言ったな…。まさか自分が忘れちゃったなんて…。
「セイロン…そうだよね。私達…家族だもんね。またみんなで集まろうって言えばいいんだよね…。」
そうだとも。と微笑むセイロンにフェアは安心し