ギアス短編2
□冬の甘色、幸せの温もり
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「あ…」
スザクが何かに気づいたように声をあげた。
その声に、ルルーシュもつられて立ち止まる。
スザクが見ているほうに目を向ければ、そこには一軒のコンビニ。
そこはエアコンが効いていて、とても暖かそうだった。
「寄ってくか?」
今だコンビニを見続けるスザクに、ルルーシュはある提案をした。
するとスザクは一瞬驚いたように目を見開くが、次には嬉しそうに頷いた。
そして二人は意気揚々にコンビニに向かう。
どちらともこの寒い中から早く脱出したかったのだ。
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「暖かいね」
コンビニに入った最初の一言はそれだった。
でもそれはルルーシュの思いでもあり。
今までの寒さを一変させたこの暖かさに身を委ねながら、何度も頷いた。
外の寒さとはまったく違った、暖かなコンビニの中。
二人は暖かなエアコンの風に暫く身を委ね、顔を綻ばせた。
「もう外に出たくない…」
スザクが外の寒々とした様子とコンビニの暖かさを比べながら、消え入るような声で呟いた。
それはルルーシュにもちゃんと聞こえ、その言葉に同意するように深く深く頷いた。
でも、現実的にはそれは無理な話。
ここを出なければ家には帰れないし、そして何より学園で待つミレイに怒鳴られる。
そのことを考えルルーシュが深く溜息をつけば、スザクもつられるように溜息を吐いた。
もう一度外を見れば、そこは寒い風に吹かれ揺れる木々の姿。
ルルーシュとスザクは二人して再び溜息を吐いた。