ギアス短編2

□学園生活〜ルル様と華麗なる文化祭〜
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そして時は過ぎ、いよいよ文化祭当日。




学園は普段以上に活気付き、明るい雰囲気に包まれていた。



学生たちはそれぞれの部活動の出し物に参加しながら、文化祭を楽しんでいる。

それはそれはもう、楽しいものであった。






そして、この部活動…もとい生徒会も、自分たちの出し物のお披露目に向けて準備を行っていた。






「うーん、意外と似合うわねカレン!」

「ありがとう。貴女も似合ってるわ、シャーリー」

「あら!二人とも素敵ねー」

「会長もいい感じですよ!」

「凄い…」

「ニーナはどっちかというと可愛い感じね」


こちらは準備中の女子班。

準備前は嫌がっていたくせに、中々の盛り上がりだ。


まぁ、男子の女装に比べれば女子の男装のほうが精神的ダメージは少ない。
だからこそなのだろう。


ちなみに、女子班の服装と言えば。


カレン、騎士。
シャーリー、学ラン。
ミレイ、軍服。
ニーナ、ブレザー。


といった、感じ。


「というか…会長、鞭とか…似合いすぎて怖いです…」

「あら?だって、軍人(上官)といえば鞭でしょうvv」


「偏ってる…絶対偏った思考だわ…」

「…枢木クンが聞いたら、驚きますよね…」


女子たちは、それぞれの格好(特に会長)に批評をしながら、ワイワイと盛り上がる。


こちらはそれなりにノリノリらしい。



では、男子班のほうはというと。



「…それ、やぁ…っ!」

「我慢しろ、スザク」

「そうだぞ。嫌なのは最初だけだから…」

「で、でもぉ…」

「スザク…俺も、一緒にいくから」

「うぅ…っ」



えー、最初から何とも妖しい雰囲気。

声だけ聞いたら、凄い妄想が膨らんできそうな感じである。


が、実際はと言えば。


「やっぱり、やだよ…。猫耳メイドさんなんて!」

「我慢しろ、スザク。きっと似合うから」

「似合わないもん!」

「いや、似合うし」

「リヴァルまで!!」


とまぁ、スザクが今だ女装を拒んでいるだけだった。


今、ルルーシュとリヴァルがスザクに進めているのは、猫耳+メイド服。

中々にマニアックだが、これは二人が選んだわけではない。
大体わかるとは思うが、これを選んだのはミレイ様。

『きっとスザク君に似合うわよvvv』

そういって、ルルーシュに手渡したのだ。


まぁ、ルルーシュ自身も『きっと似合う』とか思ってスザクに進めているわけだが。


「やだ!絶対似合わないもん!笑われるだけだもん!!」

でも肝心のスザクと言えば、さっきから女装を酷く嫌がり拒んでいた。
さすがに何でここまで女装を嫌がっているかが気になり、ルルーシュは尋ねてみた。

「何でそこまで女装を嫌がるんだ?」

その言葉に、スザクは俯き唇を噛む。
だが、ついに意を決したのか、徐に口を開いた。


「あのね。前に、僕が雨に降られて軍服を濡らした時、セシルさん…あ、僕の上司みたいな人なんだけど、その人が『着る物が無いなら、貸してあげる』って言って、自分の服を貸してくれたんだ。
それが…女性用の軍服で…、僕嫌だったんだけど着る者ないし、借りて着たんだ。そしたら…セシルさんが『その姿、人前に見せないほうがいいですよ?特に男の人の前は』って言ってたんだ。

それってきっと、凄く似合わなくて見るに見兼ねない姿だったって事でしょう?だから…女装なんて絶対しない」


「「………」」


スザクの話を聞き終わったルルーシュとリヴァルは、完全にあきれ返っていた。

ルルーシュとリヴァルにはわかったのだ。

セシルという人が、似合わないから『人前に見せるな』と言った訳ではないことを。


『似合いすぎて…凄かったんだな』

『あぁ」


二人は確認しあうように、こそこそと話し合う。


きっと、女性用の軍服でもスザクは周りの男性を虜にしてしまうほど、とても似合っていたのだろう。




ましてや、猫耳+メイド服となると…。


((どれだけ危険なものができてしまうのだろう…))



ルルーシュとリヴァルはスザクに目線を送りながら、思った。



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