ギアス短編2
□浮気な貴方
1ページ/6ページ
もし、大好きで大切で仕方ない人が最近怪しい行動をしていたら、何を疑いますか?
『浮気な貴方』
「おかしい…」
初っ端から失礼します。
最初からそう呟いたのは何やら物憂げなルルーシュ。
「にぅ」
そんなルルーシュの呟きに答えたのは、猫の癖に人間の言葉がわかっているっぽい猫のトト。
二人…いや、一人と一匹はトト用の部屋で深く考え込んでいた。
その理由とは?
「最近、スザクがここへ来ない…」
「にゅう…」
そう、トトを飼い出してからほぼ毎日来ていたはずのスザクが、この3日ほどまったくここへ足を運んでいないのだ。
例え軍の仕事が忙しくとも、何とか時間を作ってやってきていたスザク。
ルルーシュは『トト』に会いにわざわざ時間を作ってやってきている、ということには苦々しく思っていたが、ここまで来ないと不安になってくる。
それにこの頃のスザクは妙にルルーシュを避けている。
これがルルーシュの不安をさらに煽っていた。
またそれはトトも同じだった。
毎日会いに来てくれていた大好きなご主人様が突然来なくなると、とても不安になってくる。
ルルーシュとトトは共鳴しあうように、同じタイミングで項垂れた。
スザクが来なくなってから3日目。
ルルーシュとトトはある決意をする。
「スザクの動向を調査するぞ」
「んにゃあ!」
一人と一匹は気合を入れて、立ち上がった。