ギアス短編2
□聖夜の光
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聖なる夜には、君と共に
『聖夜の光』
今日はクリスマス。
街は彩り、賑わいを見せている。
そして、今日は。
「ルルーシュ!」
スザクと共に、出かける日。
「スザク」
走り寄ってきたスザクを、ルルーシュは笑顔で迎えた。
「待った?」
「いや、そんなに待ってないよ」
不安そうに尋ねてくるスザクに、ルルーシュは首を振って否定する。
でも、素肌のままだった手は痛々しいほど真っ赤で。
長い間寒空の中で待ち続けていたのがバレバレだった。
「ごめんね?」
それに気づいたスザクは、すまなさそうに謝った。
ルルーシュは苦笑する。
ばれたか、と。
そんなルルーシュを心配げに見詰めながら、スザクは徐にルルーシュの手を取った。
「スザク?」
戸惑うルルーシュに構わず、スザクはそっと自分の手でルルーシュの手を包み込む。
『はぁ…』とその手に息を吐きかけて、スザクはルルーシュの手を温めようとしていた。
「スザク…」
そんなスザクの行動に、ルルーシュは静かに微笑んだ。
優しいスザクに、ルルーシュは感謝した。
広がる温もり。
寒い空気も、感じなくなる。
今日はクリスマス。
恋人たちの聖夜だった。