ギアス短編3
□丘の上の、白き家へ
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いつか還る場所
『空が蒼いよ』
少年は微笑んだ
『丘の上の、白き家へ』
―ゴーン…
遠くで鐘の音が響く。
始まりを告げている。
その、鐘の音が。
カレンは静かに立ち上がる。
何の迷いもなく、ただ静かに。
決して、動ずることなく。
「時間だ」
響く、声。
「わかりました」
カレンはゆっくり頷いた。
「では、いくぞ」
「はい」
始まる。
…裁判が。
カレンは上を見上げた。
見えない、空を。
そして、カレンはその『空』に向かって囁いた。
「必ず…伝えるから」
それは、カレンが胸のうちに決めていたこと。
必ず、きっと。
カレンは、小さく微笑んだ。