音色遊び
□朱
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お勤めならいくらでもいたしましょう
右手に二つの手鞠 左手に勉学の書
愛していますか そうですか
甘い蜜は如何ですか?
手なずけ放題し放題
ぐるぐる喉を鳴らします
貴方のために呼吸します
貴方のために瞬きます
夢色をまとってひらひらひらひら貴方のために
『色を身にまとうのは習性ですからご遠慮なく支配して下さいな』
ひざまずく背筋の直線に
うなだれるうなじの後れ毛に
あどけない唇を染める不釣合いな朱色に
貴方専用の美しさを詰め込んで
愛でて下さい 十分に 身動きが取れなくなるまでべっとりと
『なんて醜悪な夢色胡蝶』