(04/01、ギルベルト)
「ケーセッセッセッ! おい遥香、今日が何の日か知ってるかよ!」
ばっちり、嘘を用意した俺は自信満々に遥香に言ってのける。
こっちを向いた彼女はふわ、と笑ってさらりと答える。
エイプリルフールでしょ、と。
「え、今日は銀の祈り日かな」
「は?」
「うちでは銀の祈り日って言って、嘘吐いた人の舌を抜いて清め祈る日なのよ」
ザァと血の気が引いた。
大丈夫、今日は遥香の前じゃ嘘は吐いてねぇ。
郷に入ったら郷に従えっつー日本のことわざがあるが、遥香なら他国の奴でもやるんだろうなぁ。
は、はははと乾いた笑いをすると一歩後ろへ下がる。
「それがどうしたの、ギル?」
「い、いや……他の国じゃあ今日1日嘘ついていい日なんだけどよ……」
「……ふふ、そんな怖がるとは思わなかったな」
「へ?」
間抜けた声を出せば、遥香は本格的に笑い出す。意味がわかんねぇ……。
腹を抱えて目にはうっすら涙を浮かべて、そのまま笑いながら口を開いた。
「だってエイプリルフールでしょ?」
「大丈夫、うちもエイプリルフールだよ」
「ほ、本当かと思った!」
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鈴国にもエイプリルフールはあります。銀の祈り日は別の日だし内容も違う(設定)ですよ(笑)