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□闇よりの使者登場
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ロ「ベポ。取り敢えず中の様子見てこい」

べ「アイアイ」

スイの事になると素早いと思ったが…俺も人のこと言えないのでスルーした。

「…ロー…私は自分が情けないよ…」

ロ「苦手な物は人間一つや二つあるだろ?」

俺の胸に顔を埋めながらスイは落ち込んでいた。虫が苦手な己を恥じてるのだろう…

ロ「スイの弱点が知れて俺は嬉しいぞ」

「何で?」

ロ「好きな女の事は全て把握しときたいからな」

「………私は知られたくなかった…」

…涙目で見上げるなよ…
俺はスイの涙を指で拭い、顔中に唇を落とした…
虫ごときにスイを支配されてたまるか。
お前を支配していいのは俺だけだからな…

「ふふっ…くすぐったい…」

ロ「ならこれは?」

両手で頬を支え、唇に軽く触れた…

「………もっとして…」

ロ「…いくらでも…」

スイの身体を持ち上げ、続きは俺の部屋で…

船内を歩いていると、あいつらがヤツと闘っている音が耳に入ってくる。
スイが俺の肩に顔を埋め、僅かに震えていた。

ロ「そんなに怖いのか?」

「あの黒いのはずば抜けて…怖い」






キ「うおっ!!飛やがった!!」

ぺ「今度、殺虫剤買っておくか」

べ「えいっ!!」

ベポは素手で戦う勇敢な白熊。

べ「やった〜!!スイ〜」

「…?」

ベポが嬉しそうに近付き、手には黒いのを持っていた…

べ「倒したよ〜」

「?!」

ベポに悪気は無いだろう…スイの為に闘ったのも理解出来る…
だが、満面の笑顔で黒いのを見せられたスイの身体が少し重くなった…

「・・・」

ロ「・・・」

…気を失いやがった…
全体重が俺の腕に掛かるが、全然軽かった…

ロ「ベポ。後で説教だ」

俺は部屋へと早々に戻り、スイをベッドに寝かした。







「う〜」

時折手を宙でジタバタさせては、唸っているスイ。
夢に迄ヤツが出ているのだろ…

「闇よりの使者が〜」

その呼び方は止めろ…
俺は苦笑しながら、スイの身体を抱き締めていた…








終わり
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