世界が変わっただけでこんなにも私は変わった
□私の先生は摩訶不思議
3ページ/4ページ
平穏とはこういう時を言うのだろう。
私は目を瞑り少し微笑んではふとそんな考えが過る…
シ「何笑ってんだよ?」
「いえ、ただ…!!?」
会話は止まった…
私の持つ竿が凄い力で引っ張られた所為で…
シ「うぉ!!スゲー引いてるぞ!!」
ぺ「かなりの大物だな」
べ「うわっ!!本当だ!!
海に落ちないでね!!」
この引きは尋常ではなく釣糸は勢いよく切れ、私の身体はそのまま後ろへ落下かと思いきや…
ロ「…っと」
ローが私の背中を支えてくれたので落下は免れる。
「ありがとうございます」
ロ「逃がしたか?」
「みたいです」
ただの棒になった竿で空を斬っては苦笑いした。
ぺ「残念だったな」
シ「次は釣れよな」
べ「どんな魚だったんだろうね?」
皆で海を見下ろしていた。
あんな活きが良い魚を逃したのは少し悔しくて、せめてどんな魚なんだろうと海面を見つめていた…
「………?」
青い海が段々影で暗くなっていく…
シ「…おい…まさか…?」
ぺ「……またか…?」
かなり大きな影はやがて消え、代わりに海面に姿を現す生物に溜め息を吐くペンギンと顔が青ざめているシャチだった…
ロ「………」
べ「あわあわ…」
「………」
船が影に覆われ、太陽を遮断する生物を見上げては溜め息を一つ。
一体この海はどうなってるんですか?
シ「二日連チャンで海王類と遭遇かよー!!」
私が昨日倒した巨大生物は海王類と呼ばれてるらしく、グランドラインが危険な海と呼ばれてるのは海王類の存在が原因らしいです。
「……あ」
海王類の口には何やら魚…否鮫が食べられてる最中だった…
肉食の鮫が食べられてる何とも笑えない光景…
ロ「どうやら鮫が釣りに引っ掛かり、その鮫を海王類が食う…正に弱肉強食の世界だな」
この状況でも笑ってるローを背に私は釣り竿をゆっくり海王類に向ける。
シ「あんま刺激すんな…!!」
船縁から降りるシャチとペンギン。
私は今だに船縁に座りながら小さく呟き始めた…
。