世界が変わっただけでこんなにも私は変わった

□恋愛勉強
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ロ「………」


「………」


いつもの点滴の時間。

点滴中はローの膝で後ろから抱き締められる…うん、これもいつもの出来事…まだ慣れないですが…

ただ今日は少し違った…



「……苦しい……」

ロ「冷たくて気持ち良いんだよ」

今日は力一杯抱き締められていた…
魔法で身体が冷えてる私が気持ち良いらしく両腕をお腹に、顎は肩に置いては頬を何度もすりすりされていた…

すっぽりと収められた私の心臓は今だかつてないほどドキドキしていた…

すりすりする度に髭が当たりくすぐったかった…


ロ「俺以外にはこんな事すんなよ?」

「……はぁ…?」

意味が分からず曖昧に返事をすると、「絶対だからな」と釘を打たれた…
……何故とは聞ける雰囲気では無く、私自身聞く余裕は無かった…





点滴が終わっても離してはくれないロー。

「…………」

ロ「………」

会話は無く沈黙が部屋を支配していた…


魔法で冷たいのにローが触れてる場所は熱くて仕方なかった…
顔には出てないが心臓は正直で疲れる事を知らないのか…いつまでもドキドキしていた…

心臓が煩くて私は目を瞑った…

戦場に居る時とは違う緊張感に戸惑ってしまう…

でも拒絶しようとは微塵も思わない…

これが恋なのかはまだ分からない…
ローはただ冷を求めてるだけかもしれない…
そう思うと胸が痛くなった…

考えるの止めよう…
考えて分かる事でも無い…

私は知らぬ内に眠りに就いていた…
誰かの前で眠るなんて有り得ない自分…
多分それはローだから…






「…スー…スー…」


ロ「フフ…第一関門突破か?」


初めて見るサファイアの寝顔に内心喜ぶ俺は起こさない様にそっと頬を撫でる。

最初は緊張で震えるサファイアに若干凹み、次に固まるサファイアに何度も溜め息を吐かされた…

だがやっと俺の前で無防備に眠るサファイアの寝顔にどうでも良くなってる自分自身に苦笑した…


ロ「この俺も堕ちたな」


まさかの一目惚れ。
しかも相手は異世界の女で心に傷を負い、闇を抱えてる…

片手だけでも余裕で掴めるサファイアの細過ぎる両手首。
最初は鎖で繋がれ、今は自由のサファイア。

手放す気は無い…いずれは…


ロ「俺自身で縛ってやる」


少しだけ力を籠めながら両手首を掴んだのだった…















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