戦国無双夢

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武将達が来て三日目。
自室でパソコンと睨めっこしていたが何やら居間が騒がしい。


父「鈴」


「何?」


父「甲斐姫って知ってるか?」


甲斐姫?
甲斐姫と言えば…


「北条の家臣成田氏長の娘じゃなかったけ?」


父「流石。じゃあ後よろしく」


………何を?


父「後は娘を頼ってくれ」


部屋の前で誰かと話す父。
父と入れ代わりに入ってきたのは変わった格好をした女の子だった。


「え?まさか甲斐姫って…」


「………私よ」


不貞腐れた感じで部屋に入ってくる甲斐姫。


「……マジで?」


甲「マジよ」


盛大な溜め息を吐く甲斐姫に私も軽く溜め息を吐く。


「状況は把握してるの?」


甲「何とかね」


「ならまずは…」


押し入れを開き、チェストから服を引っ張りだす。


白のキャミソール
黒のパーカー
ショートパンツに着替えてもらう。
髪型は特に違和感が無いからOKでしょ。


「寒くない?」


甲「平気よ」


甲斐姫はスタイルが良く顔も可愛い…流石東国一の美女だわ…


「あ、私は赤月鈴。よろしくね」


甲「こちらこそ」


着替えを終えて居間に行くと父が浮かれ気分で何かのチラシを見ていた。


「機嫌良いね」


父「そりゃあ可愛い子が来たからな」


「確かに華にはなるわね」


6人の武将より1人の姫様よね。


三「華?」


政「戦場で男顔負けの戦いっぷりの戦姫がか?」


甲「なっ!?失礼ね!!」


三成と政宗に食いかかる甲斐姫…面識有りか?


半「まぁまぁ、女の子が増えるのは良いよね」


元「そうだな」


父「だよなー」


意気投合の三人に清正が軽く溜め息を吐き、幸村に関してはリアクションに困ってるし。


父「なんかもう女の子ってだけで特別待遇したくなるよな」


「まさか寿司でも頼むの?」


父の持つ出前寿司のチラシを指差す。


父「ああ」


特上寿司九人分…実際には十人分注文。
食べ盛りの武将達が六人も居るからもっと注文したかったが、何せ値段も値段だ。
一人前三千円だからトータル三万円。


しかも一昨日ちらし寿司食べてるから正直私は他の食べたいわ。


半「ってか凄い差別だね」


「半兵衛達は可愛くないからね」


政「わしら男に可愛いさを求めるな、馬鹿」


「可愛さの欠片も無いから安心なさい」


幸村が甲斐姫に色々説明していた。
幸村、政宗、清正、三成はどうやら知り合いらしい。知り合いが居れば寂しさは無くなるだろうと少しホッとしていた。















で、皆が見てない所で寿司代を賭けて父とじゃんけんをする。
勿論勝ったのは…












父「チッ…自腹で食べる寿司程不味いもんはないな」


「人の奢りで食べる寿司程美味しいものはないわよね」

















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