戦国無双夢

□大阪一の馬鹿は誰?
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大阪城には何千何百の人が働く。
そんな大阪城が風邪の流行でピンチであった。


父「よっしゃー!!
お粥百人前完成だ!!」


風邪を引いてない父は調理場でお粥を大量に作り、動ける人間が手分けして配る。
兄は雑用等を手伝ってる。
母は妹に風邪が移ったら大変だから大人しく待機中。
私も女中さん等女性の病人中心に看病していた。



ちなみに秀吉さんを筆頭に、三成も清正も床に伏していた。


正「っしゃー!!
あいつらの看病はこの喧嘩奉行にお任せあれ!!」


……不安だわ……
看病に喧嘩奉行は関係ないでしょ?


馬鹿は風邪を引かない…正則は期待を裏切らないわね(笑)


ともかくお城の皆の看病を私達一家も全力でサポートをしていた。


食事と薬、水桶の交換等仕事は簡単だがなんせ人数が半端無い(苦笑)


左「鈴さん」


「はい?」


左「殿なんですが…」


「三成?」


左「俺じゃ役不足なんで看病頼みたいのですが…」


左近さんの苦笑に状況を把握。


「お疲れ様です」


左「ははっ」


渇いた笑いが虚しい…


左「頼みましたよ」


「はーい」


仕事を左近さんに託し、三成の部屋へ向かう。


「失礼」


眠っている三成の元に腰を下ろし、温くなってる手拭いを濡らしては額に乗せる。
額を触るとかなり熱い…


体温計があれば…
冷えピタがあれば…


戦国は大変だわ…
風邪を直すのも一苦労とは…


「さてと…」


手付かずの冷めたお粥を下げて、桶の水も取り換える。


目が覚めない三成が心配だったが、他の人の看病もしなきゃならないので四六時中居る訳にもいかず。



夜、皆が寝静まった時間に再び来ては冷たさを失った手拭いを濡らし額に乗せる。


「…っ…鈴…?」


「三成」


目覚める三成にホッとして微笑む。


「体調はどう?」


「…怠い…」


「食欲は?」


「食事はいい」


「じゃあせめて水分だけでも取ってね」


「なら飲ませろ」


「………」


三成の要求に無言で応える為、水を口に含みそのまま三成の唇を塞ぐ。

喉が動くのを確認しながらゆっくり水を流し込むと唇を離すが叶わず…


「んっ」


後頭部を押えられ、侵入してきた舌が厭らしく絡まる…


「…ふぁ…ん…」


「…良い眺めだ…」


「……馬鹿……」


「もう一杯頼む」


「……んっ」


再び水を与え、今度は私も舌を積極的に絡める。


「私が風邪引いたら看病してね」


「お前は馬鹿だから引かぬ」


「三成だって馬鹿じゃないの」


「…貴様…」


唇から滴れる水を指で拭い、不機嫌な表情の三成に微笑みながらズレた手拭いを戻す。


「早く良くなってね」


「……ふんっ」


手を繋いだまま蝋燭の火を吹き消す。


「ずっと傍に居てあげる」


「当然だ」


「ふふっ、当然なんだ」


「そうだ」


普段通りのやり取りに三成の体調が回復傾向に有ると判断した私は心底安堵しては「おやすみ」と言っていた…














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