テイルズ
□早起きは…
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早朝のウェルテスを歩く一人の男
銀髪の少年―セネル・クーリッジ
欠伸をしながら普段はあまり目にする事がない朝の風景に
この前妹に言われた事を思い出した
『早起きは…』
「お兄ちゃん起きて、もうお昼だよ?」
「……ん、あと…じゅっ…ぷ…」
そう言ってまた布団に潜ろうとする兄にため息をつきながら起こそうと奮闘する妹がそこにいた
「お兄ちゃん、いつまでも寝てないでもう少し早く起きたら?朝の街を散歩するのも気持ちいいよ?」
奮闘すること20分
ようやく起きた兄にシャーリーは言うが
「ZZzz....」
また夢の世界に旅立ちそうになっているセネルを見て再びため息をついて
「お兄ちゃん…早起きは三文の得って知ってる?」
「三文の得ね…」
たまたま早く起きたこの日
確かに朝早くの誰もいない街を歩くのも新鮮で気持ちの良いものだが
(やっぱ眠い)
本能的な欲求に逆らえずもう一回家に帰って寝るか
そう思ったその時
目の前を仲間の1人
剣士の少女―クロエ・ヴァレンス
密かにセネルが想いを寄せる少女が目の前を横切って行った
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