あらよる
□雨の日の出会い
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今日はツイてない
朝の占いは最下位だったし
お弁当は忘れる
そして、極めつけは
「雨がふるなんて聞いてないよ」
両手にスーパーの袋をぶら下げて私は小さくぼやいた
『雨の日の出会い』
放課後、部活が休みだったのでいつもより早く家に帰ると、おばあちゃんに隣街の少し大きなスーパーまで買い物を頼まれた
朝の天気予報は曇り、降水確率20%
雨は降らないだろうと高を括ればこれだ
パラパラと降り始めた雨は徐々に強くなってきている
残りの距離を考えるて駅まで走るという選択肢は消えた
とにかくどこかで雨宿りをしよう、と辺りを見回す
そんななか、ふと喫茶店が目に入る
不思議な感じだった
頭が何かを考える前に動く体
気がつくと私はその喫茶店に向かって走り出していた
カラン、と小気味の良い音を起てて扉を開く
私の後ろでは本降りに変わった雨
どうやらギリギリで間に合ったようだ
これは暫くお世話になるかな
と思い店内を見回す
古びた感じ、それがまた良い雰囲気をだしている
少し狭い店内は同じ雨宿り目当ての客だろう‥‥満席に見えた
これは座れないだろうな、と思いつつため息を一つ
そんなとき
「もし良かったらコレ使いやすか?」
知らない男の人に声を掛けられた
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