Story

□ジンクス コ哀←光
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体育祭当日。

「おい!元太どこだ?」
「元太君ならトイレですけど?」

コナン君は忙しそうです。そういえば灰原さんの姿も見ないですね。さっき、短距離走は出てましたけど。

「たくっ。次はアイツ出番なのによ〜」
「はは。彼は焦る事が余りないですもんね」

そこで、僕は気がつきました。

「コナン君、ハチマキは?」

灰原さんとのあの会話の後、結局どうなったか、聞いてません。
そして今、コナン君の頭にハチマキはありません。

「ああ。結局作らなかった。なぁ光彦、後で貸してくれよ」
「さっき、女の子がコナン君にハチマキ渡すと言ってましたよ?」
「あぁ…断った。……別の奴に貰っても…」
「え?」

最後の方は声が小さくて聞き取れませんでした。

「江戸川君?小嶋君見つかった?」
「あっ。灰原。今、トイレだとよ」
「たくっ。少しは余裕持って行動して欲しいわね」

全くです。僕も被害に会う事多いんですから。

「あら?江戸川君。ハチマキは?」
「あぁ?…作ってないよ」

灰原さんも今、気付いたようです。

「…ったく。はい。これ」

灰原さんはポケットからハチマキを出しました。それを受け取ったコナン君はある事に気付いたようでした。

「作ってくれたのか?」
「……ついでだもの」
「…さんきゅ…」

コナン君はとても嬉しそうです。灰原さんも心なしか、顔が赤い気が。

もしかしたらジンクス……知ってる?

「コナン君、体育祭のジンクス…知ってます?」
「ハチマキ?……まぁな」

コナン君の顔も少し赤くなりました。
彼は知ってて、灰原さんにハチマキをねだっていたんですね。

その意味を知ってて。

「もしかして……灰原さんも?」
「まぁ。…有名だから」

僕はコナン君の手元を覗き込みハチマキの端をみると、そこにはC.EとA.Hのイニシャル。
僕の恋が失恋だと確定したようです。
判ってましたけど。

「光彦。内緒にしとけよ?俺が灰原からハチマキ貰った事」
「……わかりました」

彼等のFanが黙ってる訳ないですよね。



でも、この後の借り物競争で、クラスメートをお姫様だっこというカードを引いたコナン君が灰原さんをだっこして走り、二人は公認の仲になってしまいましたけどね。




僕は、やっぱり、ごめんなさいの言葉を聞きたくなくて告白は出来ません。





END
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