Story
□片恋 蘭→新→志
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「…夕飯作ろ」
涙を拭いて立ち上がる。
何故だろう。冷静だった。
「解ってたのかな」
新一が私以外を好きになる事に。
だから冷静なんだ。私。
「ううん。違う」
冷静じゃない。冷静を装ってるだけ。
私の心は嵐の様に荒れてるけど、その捌け口がないんだ。
「帰って来たら絶対回し蹴りしてやるんだから!」
急にいなくなって!
ずっと待ってたのに!
他に好きな人がいる?
絶対許さないんだから!
…今は好きでもいいよね?
帰ってくるまで。新一の気持ちがその人に伝わるまで。
私はこの気持ちを変えられない。
だから。
「早く帰って来て。新一」
新一が好きになった寂しい人を私に紹介して?
大丈夫。きっと仲良くなれる。そんな予感がするから。
「さあ。コナン君の好きな物作ろ♪」
涙は直ぐに引いていた。
好きな気持ちを直ぐには忘れられないから。
願わくば、この恋の終止符はすっきりとした形で…打てるといいな。
そう…私の中でのハッピーエンドを…。
end