拍手ss&捧げもの

□拍手お礼ss
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あのね、コンラッド。
あんたは自覚ないかもしれないけどさ。
あんたも十分美形なんだよ。
私なんかとは比べものになんてならないくらい。

だからさ……。


「そーゆーことするのやめてくれません?」



『端正な顔立ち』



ふと、意識が浮上してきて目を開ければ。
目の前には至近距離に男前な顔が。


「何だ、目、覚めちゃったんですか?」
「おかげさまで。もうしっかりと。」


何だ、じゃないだろうと睨んでみてもあまり効果はないらしく。
彼は笑っていた。



心臓が止まるかと思った。



王子の顔を見た瞬間。

かの有名な白雪姫は驚かなかったのだろうか。



柄にもなくそんなことを考えた。

身を起こしてコンラッドに飛び付けば、彼はちゃんと受けとめてくれる。
そしてそのまま抱き上げられた。


「今日は随分甘えん坊だな。」
「嫌?」

違う、という言葉とキスが降ってきた。


「俺は毎日でもこれくらい甘えてほしいんだけどな。」


甘い微笑に吸い寄せられるように、コツン、と互いの額をくっつけた。


「……馬鹿。」
「馬鹿で結構。」


その言葉を遮るように、キスで口を封じられた。

ささやかな、二人だけの甘い時間……。



Fin

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