ヘヴィ・デイズ
□第4話*ハロー・ウェルカム
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ぼんやりしていたら、三限が終わったらしい。教室内がにわかに騒がしくなる。
「吉岡くん、大丈夫?」
授業を聴いていないのはいつものことだが、輪をかけて上の空だったらしい俺を隣の席の仲田さんがペンでつついてきた。
「もしかして熱あるの?ずっとぼんやりしてるし…首赤いよ?」
「え…、そう?」
曖昧に返事をしながらさりげなく首に手をやって隠す。朝から人に訊かれる度にそう答えたように「たしかに風邪っぽいかも」と付け足した。
もちろん、熱なんてない。
ましてや風邪を引いた、なんてこともない。
首が赤いのは、昨日、首を絞められたからだ、と思う。
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