treasure
□椚ヶ丘中学校 3年E組の七夕
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ポン、と殺せんせーは僕の頭を撫でた。
「渚君、君の願い事は実に良かった。相手の事を良く識るのは暗殺の基本ですからね。ただし、他の皆さんと同じく願い事だけで留まらない様に。私はいつでも待っていますよ」
(まさか、見られていたのか)
自分の顔がカァッと赤くなるのが、否が応にも分かった。
(―でも、少し違うんだけどな…)
「渚君以外の全員、安易に願いに頼った罰としてこれから補習とします」
えーっ!と29人の叫び声が響く中、一枚の短冊がカサリと音を立てて落ちた。
『殺せんせーのこと、もっとたくさん知れますように』