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□それぞれの…
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 世間は今、12月ということで”クリスマス”という行事で騒いでいる。
 しかし、REDは病院であり、しかも、この時期はほかの病院も休みになっているため、ほとんどの患畜がREDに舞い込んできていた。
 それなので世間の行事など全く関係がなく、忙しい日々を過ごしていた。忙しいと何かと世間の話題に触れることも少なくなり、REDの関係者は”クリスマス”という行事のことなど全く忘れていた。

 このことは、日頃仕事をしていないように見える陵刀にも珍しく、当てはまっていた。それほどの忙しさだった。しかし、どんなことでも例外というものは存在していた・・・・・。

「アー疲れた。ったく何でこんなに忙しいんだよ。朝から何件診たっけ?さすがに俺も疲れるって」
 
 昨夜あたりからずっと診察にあたっていた鉄生は、患畜の数が少なくなったので、今のうちに休憩を取っておこうと思い、病院の庭に生えている大きめの木の木陰に腰を下ろした。座り込んで持ってきたカバンの中からお昼を取り出し、遅めの昼食をとった。
その位置には、ちょうど病院の窓が見え、その窓から中の様子が見える。昼を食べながら病院内の様子を見ていたとき、陵刀がその窓のところを横切っていった。

「そういえば、あいつがあんなに働いてるの初めて見るかも。働いてる時って普段の時と雰囲気全然違うよな・・・。何かこう真面目って言うか、本気で助けようとしてるって感じで」

 鉄生は、昼を食べながら今見た陵刀の姿を見てそう思った。
 昼を食べ終わる頃には、再び病院内が騒がしくなってきて、患畜が増えたことを告げていた。

「さぁ、もう一仕事すっかな!!」

 そう言い、鉄生は持ってきたカバンを肩にかけて病院内に向かって、走っていった。

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