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□おいでよ
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それはいつもと同じ部活帰りのはずだった。
――宍戸と鳳、二人だけでコンビニに寄り道をすることを除けば。

いつもならほかのメンバーも一緒に行くのだが、今日に限って二人以外の全員が用事があるといい、帰ってしまった。

そのことを、「珍しいこともあるもんだな」と思っただけで、二人はさして気にすることはなかった。



…………もうこの時点で既に、呼ばれていたというのに。








いつもと同じ道を通ってコンビニに向かっている途中、宍戸が何かに気が付いた。

「おい、こんな所に林なんてあったか?」

そう言って示した先には確かに林があった。
しかし、今まで何度もその道を通っているというのに、二人ともその存在には全く気づいていなかった。

「いつも随分騒ぎながら通ってましたからね。気づかなかったんじゃないですか?」

「…………」

鳳は特に気にする素振りもなく、今まで気づかなかった林に目を向けている。
そんな鳳とは反対に、宍戸はどこか納得のいかない顔をして林を見ていた。
“見ていた”というより“睨んでいた”と言う方が近いかもしれないが。


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