tennis
□もう少しだけ
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なんかさ、君がここにいないんだ。
前はもっと近かったのに。
離れちゃった〜。
ねぇ。
俺じゃあ、駄目だった?
いつも一緒だったのに。
小さい時から、一緒だったのに。
俺は、君の何を見てたんだろ。
君は、あいつのとこで笑うんだ。
ありのままの君がいる。
作ったりしてない君の本当の笑顔。
俺には、最近じゃあ全然見せてくれなかったのに。
あいつの隣じゃあ、いっつも本当の笑顔。
……………悔しいなぁ。
でも、こうやってれば迎えに来てくれる。
だからさ、ちょっとくらいは許して?
まだ諦めきれてない俺のささやかな行動を。
「おいジロー!!もうとっくに部活始まってるぞ!!さっさと起きろ!!」
「んー…………げっ。跡部じゃん」
「俺様の顔を見て“げっ”とは良い度胸じゃねぇか。アーン?今日はお前だけ特別メニューにしてやる。まずはが「遠慮するCー!!じゃあ先にコート行くから!!」」
「待てジロー!!……ったく。しょーがねぇ奴だぜ」
何言われたって、この時だけは俺だけ見てくれるから。
ごめんね。
もうしばらく、俺に付き合って?
Fin