ウタリ
□「神のゴミ捨て場」
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車体が揺れ、俺は低い天井に幾度目にもなる頭突きを食らわせた。
しかしやはり天井に大した痛手はなく
(痛手があったのならばそれはそれで大変だが)
鈍い痛みだけが頭に残る。
少し油断していると、すぐにこれだ。
痛む後頭部を左手でさすりつつ、俺は小さく舌打ちをする。
言っているそばからまたがたんと車体が跳びはねた。
今度は頭をかばっていた左手ごと天井にあるパイプに思い切り叩きつけられて盛大に舌打ちした。
「すいませんねえ。ここの道は舗装されてないもので‥‥」
「いえ」
自分の機械車の質が悪いことを道のせいにしながら、運転手は何度も同じことを言っていた。
本当に道のせいならば、どうして街の中でまでこんなに揺れようか。