ウタリ
□後書
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しかしあまりにもその話は長いのです。
まあネタだけでも残しておこうか、と思ってウタリは一度眠りにつきました。
ある日、私が中学の頃の落書きノートを整理している時でした。
荒野にポニーテールの少女が立っている絵がありました。
彼女は寂しそうに横顔で笑っていました。
そして、横にこの文が添えられていました。
「たった一つ願いがかなうとするならば、
お願いします。
私がこの世界で生きることを許してください」
生きることを許されなかった少女。
生きたいと切望しながら、存在すらみとめられなかった少女。
この一ページを見た瞬間、ウタリのヒロインは入れ替わったのです。