短編

□想いよ届け
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―何時かいなくなっちゃうからずーと一緒に居たいと思う大切な君と・・・。

「ねぇ、何処か行かない?」
君は突然そう言った。
「え?別にいいよ。何処つれてってくれるの?」
君のその言葉に私は笑ってOKをだした。
君と出かけると楽しい時間が来るから…。
「何処が良い?」
君が私を見て聞いた私は即答した。
「ミズキの行きたい所」
そしたら君は少し困った表情になってた。
「じゃあ…行こっか」
少し間が空いて君が言う。
「何処行くの?」
私が聞くと君が悪戯っぽい笑みで行ってみてのお楽しみと言う。
私達は玄関を出て歩き始めた。
私は君の後をついて行く。
何時も思うけど不思議な光景。
私と君は幼なじみ、だから君が私のことどう思ってるのか未だに聞けない。
「ねぇ、ミズキ」
私は君に話し掛ける。
「何?」
「あのね・・・手繋いで欲しいなって・・・そう思って」
そう小声ではにかみながら君に片手を差し出す。
私の手に温もりが伝わってくる。
嬉しかった。とっても嬉しかった。
私達は手を繋いだまま歩く。
そのまま数分歩いた。

「ついたよ」
丘を登り切った時、君が言った。
「わ〜綺麗」
私は目の前に広がるそれを見てそう声を上げた。
街が夕日に照らされて紅く染まって見えた。
街が良く見える方へと走った。
「だろ?姫に一回見せたかったんだ」
君がそう言った。
「私に?」
私がそう聞き返すと君が首を縦に振った。
君のその言葉と行動を見たとき私の中で確信が持てた。
今ならはぐらかさずに私の想いが言える。
「あのね、ミズキ・・・私ね・・・ミズキの事・・・好きだよ。幼なじみとか・・・そうゆう事じゃなくて・・・一人の男の子として・・・君が・・・好き」
君の方を向いて言う。言ってるとき顔が熱くなるの感じた。
「俺もだよ」
「え?」
君がそう言ったとき一瞬何が起きたのか理解出来なかった。
「俺も姫が好きだ」
君がはっきりと口調で言った。
「嬉しい・・・」
そう呟く。
「姫に先越されたよ。俺が言おうと思ってたのに・・・」
「ねぇ、ミズキ・・・名前で呼んでよ。お願い」
私は哀願するように言う。
「姫野、好きだよ」
君が笑って言った。
               END

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