短編

□いたずらっ子の恋
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「ねぇ、目、閉じて手だしてよ?」
麻央まおがクスッと笑って優希に言う。
「なんで?」
「いいから」
優希ゆうきの問いに麻央が笑って答える。
優希は麻央に言われたとおりに目を閉じ手を麻央の方に出す。
差し出された手に麻央が何かをのせる。
「目、開けていいよ」
優希が恐る恐る目を開ける。
「うわぁ!」
優希が驚いたように手に乗ってるものを放り投げる。
「あはは。ボクそんな変なもの乗せてないけどなぁ」
麻央がクスクス笑って言う。
「何乗せたんだよ」
優希が麻央に聞く。
「コレ」
麻央はポッケトから何か取り出し自分の手のひら乗せる。
「何だよそれ」
優希が麻央の手のひらに乗る不思議な物体を見て怪訝そうに言う。
「さぁ?この前、縁日行った時輪投げで貰ったやつだけど・・・」
麻央はそう言って首をかしげる。
「ねぇ優希。目を閉じてみて」
麻央が哀願する。
「今度は何する気?」
優希が怪訝そうに言う。
「いいから」
ニコッと笑って麻央が言う。
優希が渋々目を閉じる。
「プレゼント」
そう優希の耳元で囁くと優希の頬にキスをした。
「優希。あ・い・し・て・る」
そう言って抱きつく。
「な…ちょっと麻央何して…」
優希が頬を赤く染め戸惑ったように麻央を見る。
「優希はボクの事愛してる?」
麻央が優希を見上げて言う。
「ああ」
優希が答える。
「なら言ってよ。愛してるって・・・」
麻央が優希を見つめたまま言う。
「愛・・・してる」
優希がぼそっと小声で言う。
「ねぇ、もっとちゃんと言ってよ」
「愛してる」
「ボクも優希を愛してるよ」
麻央がクスッと笑って言った。

       END

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