短編

□FIRST FANTASY
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―「ねぇ名前何ていうの?」
少女が少年の顔を見つめニッコリ笑って聞く。
「…ハレシス・ルベルド・ミーア」
少年は若干迷いながら名乗った。
「じゃあハルだね」
少女が笑って言う。
「え?」
少女の言葉に少年は思わず聞き返す。
「あだ名だよ。だってハレシス・ルベルド何とかなんて長い名前僕覚えられないもん。だから縮めてハル。僕はトウカだよ。トウカ・ベアトリス・フェレン。ヨロシクねハル。」少女はそう楽しそうに言う。
その言葉に少年は困ったような表情をする。
「僕とハルは今日から友達だよ」
楽しそうに笑ったまま少女が言った。
それが俺と藤花の出会いだった。
正直いって驚いた。
何しろ魔界王家の姫后が魔界では下級だった俺の目の前に居たのだ。
普通ではあり得ない事だ。
俺みたいな下級魔族は王族なんかの顔を見ることはおろか声さえ聞くことが出来なかったのだ。
それがいきなり目の前に現れて『今日から友達』なんて事を言われたら誰でも驚くだろう。
その後彼女は帰り道が分からないから王宮まで連れてってっと言った。
今考えると不思議な事だったと思う。
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