降ってきた君
□風邪をひいた君
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くぅを拾って数日が経った。
『あむちゃん、起きてる?今日から新学期よ。』
「ふぁい!っと・・・くぅが部屋にいる事に慣れてる自分がコワい・・・。」
「ん?くぅ?」
『・・・ケホッ!』
「ケホッって、どうしたの?」
私は、くぅのおでこを指で触れる。
「アツっ!熱があるじゃん!」
『あむちゃん?どうしたの?』
「あっ、ママ、ちょっと私、気分が悪いんだ・・・。」
「えっ、どれ・・・。うーん、熱はないかな?でも、念のために計っておこっか。」
私は渡された体温計をくぅに突っ込む。
「ちょっと高いわね。しょうがないわ。今日はお休みして様子をみましょう。」
「うん・・・。ごめんね。」
「後でお粥作って持って来るわね。」
ママが部屋を出て足音がしなくなったことを確認して、ガバッと起きる。
「くぅ、多分、あんた、ずっと裸だったからそれで風邪引いたんだよ!勘弁してよ!宇宙人に効く風邪薬なんてないんだから!」
『・・・ごめんな・・・。』
・
・
「とりあえず、私、今日は休みだから、ずっと一緒にいてあげる。」
私は、くぅの小さなおでこをそっと撫でた。
顔が熱くて林檎みたいに真っ赤だ・・・。
もし、これが空海だったら・・・。
はっ!
ばっ、バカバカバカ!
何考えてるの!
私が好きなのは、唯世君なんだから!
―『
・
『あむ…何見てんだ?』
「半年前の事件、私も独自に調べてるの…。」
…『半年前に発生した、中学生切り裂き事件で、進展があった模様です…。』
私は、携帯のテレビ機能で、あの事件の真相を調べている。
あの事件…空海が殺害され、内臓を…
これまで、いくつかの内臓…胃、腸、肝臓が現場近くのゴミ箱で見つかり、まだ見つかっていない、心臓と…男のシンボル…の捜索が続いていた。
『聖夜学園に通う相馬空海君の、
未だ、不明につき捜索中…何これ?』
「しっ!」
…『未だ、不明だった、臓器の一部が、駅構内のコインロッカーの中から発見されたという…』
・
「よかった…全部見つかったんだ…空海…。」