死が二人を別つまで〜ANOTHER if...〜

□君ヲ想フ時ノ唄
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―気がつくとここにいた…。

僕は…自分が誰なのか思い出せない…。




唯世が死んで、あむとイクトは、あの家に居られなくなり、家を出た。

ここで過ごした楽しかった思い出が、二人に辛く重くのしかかり耐えられなくなってしまう。

「本当にいいのか?あむ。」

「うん。私、一人じゃない。まだイクトと歩夢がいる。」

イクトとあむは、生まれたばかりの歩夢と小さなアパートで暮らすことにした。

「狭い部屋だね。」

「まぁ、角部屋の1DKだからな。3人で暮らすならちょうどいいだろう?」

―ピンポーン♪

「こんな時間に誰だろう?はーい。」



「やぁ♪お隣さんに引越しのご挨拶に来ました♪偶然だねぇ、イクト君、あむちゃん♪」

「げっ、司さん…。」

「またお前か…いい加減、俺たちにつきまとうなよなぁ!」

「つきまとうなんて…人聞きの悪い…。」

「そうだよ…その手に持ってるの…。」

「あぁ、これ?引越し蕎麦。イクト君たちと食べようと思ってね。」

「丁度よかった!夕飯まだだから、一緒に食べようよ!?」


それから、6ヶ月が経ったある日…



イクトの口から

「なぁ、あむ…。」

「なぁに?」

「お前とはもう、一緒に暮らせない。」

「えっ…?」

「親父を探そうと思ってる。」

「そんな…急に…。」

「急に決まったことじゃない。このことは、5年前から、
お前のことがあって先伸ばしにしてもらってたんだ。」



「だから、俺たち、結婚しよう。」

「えっ…。」

「俺は、どんなに離れていても俺とお前はずっと一緒だ。
 

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