死が二人を別つまで〜ANOTHER if...〜

□黄昏に消える白い闇
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―オギャア!オギャア!

17年前・・・。

ささやかな幸せの中で一人の男の子が生まれた・・・。

男の子は、お母さんの失ってしまった夢を託され、“歩夢”と名づけられた・・・。

歩夢は、お母さんの愛情を一身に受け、健やかに育った。

それから、17年後・・・。


歩夢は、高校生になっていた・・・。

同級生A『俺たちまだ高2だぜ!進路なんて早すぎだっての!なぁ?歩夢。』

「うん?そうかなぁ?来年は、僕ら、受験生だよ?」

同級生A『なんだよ、歩夢は、進路決まってんのか?』

歩夢は、高校の同級生と通学路を歩いていた。

「僕?そうだなぁ・・・。」

同級生B『歩夢君は、スキージャンパーになるんだよ!この間、部活のジャンプで、世界新、とっちゃったんだよ!』

同級生A『いいや!成績が全校トップで頭いいんだから、大学まで進学して医者か弁護士になった方がいいんじゃないか?』

「みんな、あの、えぇっと、あのね!」

「歩夢の進路は、歩夢が決めるのよ!」

同級生A『なんだ、お前!』

同級生B『あっ、こいつは、聖アンナ女学院の三条安寧じゃないか!』

同級生A『げっ、あの、去年の世界フィギュアスケート金メダリスト、銀盤の妖精、アンネ!」

「…だから、何?オレ、サインはお断りしてるんだ。握手もダメ!行くぞ、歩夢。」

「安寧は、この後、どうするの?花束を持っているってことは、叔父さんのお見舞い。」

「うん。うちの近所の病院に1週間、検査入院することになってね。オレの叔父さん、臓器移植してるから・・・。」

「へぇ、大変だね。それじゃあ、途中まで一緒に帰ろう。」



「ねぇ、安寧は、プロのスケーターにならないの?」

「オレがフィギュアスケートをしてるのはあくまで趣味としてやってんだ。プロになる気は更々ねぇ。お前のスキージャンプと同じだ。」
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