次の世界はここにしよう
『私』は水鏡を覗き込んで笑みを浮かべた。
水鏡の中に映し出された異世界
『私』は異世界を巡るタイムトラベラーだ
さらりと胸の辺りまで伸びたエメラルドグリーンの髪、同じ色の瞳
それに『エルフ』という長寿種族を象徴する長くとがった耳
『向こう側』の世界が消えると、ぼんやりと映る自分の姿

「いけない、こんな姿じゃ目立っちゃう」

自分が目指す『世界』に合わせその容姿を変えなくては
自分の世界では当たり前のように使っているご自慢の『魔法』も、向こうでは使えないことだし・・・

「さて、支度したら降りてみますか・・・」

『私』は逸る気持ちを抑え、準備に取り掛かった

 準備なんて簡単だと思っていたのに
まさかこの世界に降りた途端、『魔法』で変えた髪や目の色が元に戻ってしまうなんて誤算だった。
ここでは、ほぼ全ての魔力が無効になると思って間違ないらしい。
それもそのはず。この世界には『魔法』の概念がないのだから。
おかげで私は、この地に降り立つなり、トンボ返りで準備をしなおすハメになった。
色がおかしく混ざらないよう、髪を黒く染め、向こうの世界では珍しい物ではないらしい『カラーコンタクト』なる物で瞳も黒くした。
そちらの世界の『人間』でいられるための制御装置の役割を担う、蝶の髪飾りをつける。
これでようやく『向こう』に行く事ができるのだ。


☆長くてすみません、ストーリーはここから始まります

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