P歌姫P

□ピンクの歌姫
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「アスラン。わたくしプラントでコンサートを開催することになりましたわ。」


あくる日の朝、いきなりラクスからの通信で起こされたと思ったら、寝起き頭に告げられた。
そんないきなりな展開に俺がついていけるはずもなく・・・情けなくも間抜けな声でつい聞き返してしまった。


ラクス・・いつから今日はエイプリルフールになったんですか?

と・・・。



************

「なにっ?ラクスがプラントにコンサートにいくからアスランもプラントにいくだと・・?!」

「あぁ」

まさにガビーンというような効果音がふさわしいほどにカガリは俺の言葉を聞いてその場に固まった。
まぁ、気持ちは分かる。
やっと現実に戻り事情を把握した俺でさえ、頭を抱えているのだから。

ラクスから通信が入ったのは今から三時間前にさかのぼる。
告げられた内容はこうだった。

プラントのヒュランダル議長が倒れた今、プラントの情勢は悪くなる一方。
必死に他の議員が立て直そうとしているが、それもなかなか思うように行かない。
元から、クライン派だった議員がこれはヤバイと思いラクスに慰安コンサートという形で少しでも国民を救ってやってほしいと、依頼がきた。

ミーアの事件もあり、一瞬は悩んだらしいのだが・・クライン派に押し切られる形で半ば無理やりに決まってしまったらしい。


「なんでお前まで行くんだよ・・オーブも今大変だって言うのに。」

拗ねた口調で文句をいうカガリ。
それに内心文句をいいながらも俺は別段何とも思ってない声色で呟いた。

「仕方ないんだ・・一応まだプラントでは俺とラクスは婚約者同士ってことになってるから・・。」

それは本当のことだ。
・・ラクスがキラのことを選んだ以上は早く撤回しなければいけないとおもってはいるのだが。

未練がましい俺はそれも出来ずにいた。

「でも・・・・・・」

それでもカガリはまだ何かをいいたそうにしたが俺の様子を見て口を噤んだ。

しかし次の瞬間に聞いたのは想像を上回る言葉だった。

「心配するな!!私もついて行くからな」

***********


ひょんなカガリの一言でカガリにキラ、そして俺とラクスという組み合わせのプラント旅行が始まった。

「いいか、カガリ。それにキラ。一応プラントでは俺とラクスがまだ婚約者ということになっている。間違っても俺やラクスが疑われるようなことはするなよ・・・?」

プラントに行く途中、俺はキラとカガリにしっかりと言い聞かせる。
俺がプラントで何をいわれるならいいが、ラクスは歌姫であり、プラントで市民にかなりの影響力がある。
できればあまりいざこざを起こしたくはなかった。
彼女に危険が迫るから。

「カガリさん・・ごめんなさいね。わたくしがアスランに無理を言ってしまったばかりに・・。」

俺に注意されてむすっとなっているカガリを見てラクスはしゅんと俯きながら謝る。

「ラクスが謝ることは・・」

ないんですと咄嗟に言おうとした俺の言葉を遮り、キラが一歩ラクスに近寄った。

「ラクスのせいじゃないよ。それに大丈夫。カガリも分かっててついてきたんだろうし・・ね?」

「キラ・・・ありがとう。」

優しくピンクの髪を撫でながら安心させるように笑いかける俺の親友。
それに答えるように頷く歌姫・・・。

以前ならソコは俺の場所だったんだよな。。。

「おい、アスラン。」

フと物思いにふけっていた俺の腕をくいっと引っ張るカガリ。
そっちを見るとキラと目が合い、俺達はカガリに促されるまま部屋を出た。
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