P妖艶P

□白い花
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任務を遂行し報告しに戻る途中、道端に白い花を見つけた。
小さくも生きている。はかない気持ちになった。

「・・似合いそうだな。」

ふっと、頭をよぎった考え。それは兄弟のこと。
最近新しい奴が生まれた。一回だけ見たことがある。長い黒髪に中性的な顔だった。

「・・・・土産にもって帰るか。」

ちょっとした考えでその花を摘んで帰った。



************

「おい。あいつどこにいるんだ?」

報告を終えたグリードはちょうどエンヴィーの世話係のラストを見かけ声をかけた。

「あいつ・・?ああエンヴィーの事ね。部屋にいるわよ。」

一瞬顔を顰めたがすぐに返事をしたラスト。

「ああ。そうか・・・」

ラストの言葉通りエンヴィーの部屋に行きノックをした。

「・・・どうぞ。」

中から聞こえた声。

「・・・・・よぅ?」

「ぇ・・・?」

グリードが部屋に入ると驚いたようなエンヴィーがいた。
どうやらノックの音がグリードだとは思わなかったらしい。

「そんなに驚くことはねえだろ?少し用事があるんだけどよ・・・?」

怖がらせないようにゆっくりと話し掛けてやる。

「なに・・・?」

と少し顔をこわばらせ聞いてきた。

「ほらよ・・」

見計らったようにあのとき摘んだ花白い花を手渡してやる。

「・・・?」

手の花を見つめ不思議そうにグリードを見るエンヴィー。

「お前にやるよ。」

「・・僕に・・・?」

きょとんとしてまた花に目をやる。

「嫌なら捨ててくれ。じゃあな。」

ぽんと頭をなでて立ち去ろうとした・・・・・その時。

「あ・・まってよ!!」

「・・・・?」

後ろから不意に呼び止められグリードは振り返ったとき。

「ありがとう。」

「・・え」

エンヴィーが笑っていた。

「飾る・・。」

少しの照れも入っているのか恥ずかしそうに・・・。
愛しさがこみ上げた。

「・・・あぁ。」

自然に笑みが零れて・・・。









窓際には一輪の
              白い花。
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