P妖艶P
□白い花
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任務を遂行し報告しに戻る途中、道端に白い花を見つけた。
小さくも生きている。はかない気持ちになった。
「・・似合いそうだな。」
ふっと、頭をよぎった考え。それは兄弟のこと。
最近新しい奴が生まれた。一回だけ見たことがある。長い黒髪に中性的な顔だった。
「・・・・土産にもって帰るか。」
ちょっとした考えでその花を摘んで帰った。
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「おい。あいつどこにいるんだ?」
報告を終えたグリードはちょうどエンヴィーの世話係のラストを見かけ声をかけた。
「あいつ・・?ああエンヴィーの事ね。部屋にいるわよ。」
一瞬顔を顰めたがすぐに返事をしたラスト。
「ああ。そうか・・・」
ラストの言葉通りエンヴィーの部屋に行きノックをした。
「・・・どうぞ。」
中から聞こえた声。
「・・・・・よぅ?」
「ぇ・・・?」
グリードが部屋に入ると驚いたようなエンヴィーがいた。
どうやらノックの音がグリードだとは思わなかったらしい。
「そんなに驚くことはねえだろ?少し用事があるんだけどよ・・・?」
怖がらせないようにゆっくりと話し掛けてやる。
「なに・・・?」
と少し顔をこわばらせ聞いてきた。
「ほらよ・・」
見計らったようにあのとき摘んだ花白い花を手渡してやる。
「・・・?」
手の花を見つめ不思議そうにグリードを見るエンヴィー。
「お前にやるよ。」
「・・僕に・・・?」
きょとんとしてまた花に目をやる。
「嫌なら捨ててくれ。じゃあな。」
ぽんと頭をなでて立ち去ろうとした・・・・・その時。
「あ・・まってよ!!」
「・・・・?」
後ろから不意に呼び止められグリードは振り返ったとき。
「ありがとう。」
「・・え」
エンヴィーが笑っていた。
「飾る・・。」
少しの照れも入っているのか恥ずかしそうに・・・。
愛しさがこみ上げた。
「・・・あぁ。」
自然に笑みが零れて・・・。
窓際には一輪の
白い花。