黒ネコ注意報?:1
□錯乱と説教
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「もうやめよう、彩夏」
「許さない。
許したくないのよ!!
自分たちのボスは9代目でしょ?!
10代目よりも先に、9代目が今のボスでしょ?!」
再び、扇子から指示棒を握った彼女から、雲雀は軽めの電撃を喰らった。
「うあっ!」
体が痛んでも、痺れても。
彼は彩夏を放そうとはしなかった。
更に強く、強く―――
力の限り抱きしめていた。
「離れて恭弥。
・・・お願い、離れて」
「いやだ。
僕が離れたら、彩夏また攻撃するでしょ?」
「恭弥だっていつもそうじゃない」
「僕は殺したりしない。
でも、今の彩夏は、口で殺さないって言っても、簡単に殺してしまいそうだ」
雲雀に当たる電撃の威力が上がる。
不死身の彼でも、これはほぼ限界だった。
それでも彩夏を放そうとしないのは、意地以外の何者でもないだろう。
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