黒ネコ注意報?:3
□黒ネコ注意報?3−Q
3ページ/3ページ
『晴黒豹』
「レオ、行け」
真っ黒な豹が、鋭い声で吠えた。
知能が高いこの黒豹・レオは敵の心臓目掛けて口に加えた何かを突き刺そうとしている。
『電光石火のメス』
彼が加えていたのは、陸の戦闘武器・電気メスであった。
「レオが相手出来なかった分は俺が直々に殺ってやるよ」
指の間に挟まれた電気メスは、彼の操作によって各方向へと飛ばされた。
「ぎゃぁあぁぁあ!!」
「俺の患者に手を出したんだ。
普通に殺られるだけだと思うなよ!!」
白衣の怜悧・緋梅 陸の戦闘でここまでの負傷者が出たのは初めてだった。
と言っても9割以上は死んでおり、残りは辛うじて虫の息をしているだけだ。
彼にとって、患者に手を出す卑怯者は敵・・・
ではなく生きている価値が無い者。
例えその卑怯者が自分の味方だろうが親だろうが関係ない。
「ケガ人を軽視するような奴は、同じ人間じゃねぇ」
返り血によって白衣にコントラストする紅。
その姿は、怜悧な陸には酷く不釣合いで似合っていなかった。
☆あとがき☆
『怜悧』って何だろうと思われた方へ(実際私もこの言葉を全然知りませんでした)
怜悧(れいり)・・・頭の働きが鋭いこと。賢いこと。利発
たまたま見たテレビで漢検1級の読み問題があって、そこに一緒に意味が載っていたので。
この言葉が似合うのは陸だなと思って、彼の通り名は『白衣の怜悧』になりました。
要は、頭がよくキレる医者ってことです。
2010.03.05