黒ネコ注意報?:4
□黒ネコ注意報?4−Y
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「彩夏、そろそろ終了時間ですよ」
「逃げ切る気・・・?!」
「手を下しましょうか?」
1試合10分と決められている模擬戦で、
終了時間を迎えると状況から勝敗を決められる。
この場合、圧倒的に紫亜の勝ちと判断される。
「では、いきますよ」
『金縛り』
「っ!」
完全に動きを塞がれた所為で扇子が手から落ちてしまった。
本当に念力使いって・・・!
さすが漆の姉なだけあるわけだ。
「・・・終わりです」
私が動けないのをいいことに紫亜の尻尾髪が首元に当てられていた。
あれも武器だ。
長い尻尾髪に念力を通せば鋭利な刃物にもなる。
もっとも、今は寸止めだし刃物仕様じゃなくて単に念力で浮かしてるだけだから殺傷能力はないけれど。
「1本!勝者・紫亜」
審判をしている彼方からコールがかかり、
残り15秒のところで1本を決められてしまった。
明らかに紫亜は手を抜いてやっていた。
本当ならば開始直後に決着がついていてもおかしくない。
伊達に情報部最強を誇っていないのだ。
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