第49番『殺人ノーベル賞』
□木曜日のリカ
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嗚呼
私はやっと死ねるのだ
誰かが必死に体をかき回す。
もう…やめて頂戴。
私の死を、止めないで…
『本当にいいの??』
…??誰??
本当にそのまま死んでもいいの??
私はもう死ぬのよ!?これ以上…無駄な痛みは知りたくないの!!
じゃあ何故君は泣く??
いつの間にか、涙が頬を伝っていた。
透き通るような白い指が、私の頬から涙をすくいとった。
…寂しかったんだろう??一人で消えていくことが…
誰も自分の痛みを知らないまま、たった一人で死んでいくことが…
…っふ…ぇ…っひく……っう…っく…ぁ…っつ…!!
子供のように泣きじゃくると、冷たい誰かの体温が包み込んでくれた。
ひんやりとしていて、けれど泣いて熱った私の体にはちょうど良かった。
…取引をしようか。
取…引…???
僕が君を蘇させる。その代わり、君はまた命尽きるまで、僕のモノになる。…どう??
…ええ、わかったわ…。
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