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□深夜1:00
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「気を付けろよ」

 受話器の向こうの彼は、一言そう言った。

「さっき、昔の恋人がうちに来たんだ。別れてから随分経っていて、最初はだれかも分からないほどに変わっていたんだけどな……。ナイフを持っていた。捕まえようと思ったけど、逃げられたんだ」
「……マット」
「インターホンが鳴っても開けるなよ。今、代行に探してもらってる」
「マット、」
「大丈夫だ。何とかするから、心配しなくて良い」
「……うん」
「愛してる、おやすみ」
「うん、おやすみ」

 電話は切れた。
 愛しているのなら、どうして来ないんだろう。マットの嘘つき。
 そう思いながら、足元を見下ろす。
 血溜まり。肉片。
 女の体が、憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い女の体が、そこにはあった。
 青白い顔は醜く歪んでいて、口の周りには血がこびりついていて、腕は捩じ切れている。豊満な体は裂けて、体が二つに分断されていた。
 私からマットを奪った女。
 ああ、マットの嘘つき。冷たい人。
 今の恋人の声すら分からないなんてね。
 でも、そういうところが愛おしい。
 マット、マット、マット、マット、マット、マット、マット、マット、マット、マット。
 愛してるのよ。今も、ずっとあの頃から。

「マット、だあいすき」

 さあ、次は何処へ行こうか。
 全部全部殺してやろう。彼と少しでも愛しあった女は、たとえマットが一片も相手を愛していなかろうとも、みんなみんな殺してやるんだ。
 彼が一言、私の名前を呼んでくれるまで。






1:00












(前に風香の家で見た『怖い女』から書きました^^)
(こういうの大好き)

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