BL
□ツンデレ?なアイツ
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抜ける様な青空の下、学校の屋上で一人昼寝をする少年。
僅かになびく心地のよい風が彼の黒髪を揺らす。
バサバサバサ
『ヒバリ!!ヒバリ!!』
黄色くて可愛らしい小鳥が彼の頭上で羽を休めその名を呼ぶ。
「ん…なんだい?僕はまだ眠いんだ。静かにしてくれない?」
「ま、そう言うなって。」
些細な言葉しか話せぬ小鳥に独り言を話しかけたのに返って来る筈のない返事が返って来た。
「…山本武…」
「おっと、そう睨むなって。お前今日暇か?」
誰もが怯える鋭い眼差しを屈託のない笑顔で軽く受け流す。
「フゥ…。それを聞いてどうするの?」
軽く溜め息を吐きながら再び瞼を閉じる。
長く繊細な睫毛が影を落とす。
幼くも妖艶な寝顔に思わず見惚れる。
無意識に伸ばした手が風にそよぐ髪に触れようとした時、
「たとえ暇でも君には関係ないだろ。」
容赦なく冷たい言葉を浴びせられる。
「…はは。相変わらずだな…。」
「…?」
普段ならどんな言葉を受けてもあっけらかんとしている山本が珍しく弱々しい声を出す。
その様子に違和感を覚えうっすらと瞳を開けると、力無い笑顔を浮かべる山本の顔が飛び込んで来た。