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□位置
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群れるのを嫌うヒバリがボンゴレファミリーに入った。
何故かと問うと
「…約束だから」
と呟いた。
その瞳は遥か遠くの空を見つめながら。
そして遠い地にいる"彼"を思いながら…
「…誰とのですか?」
愚問だと分かっていながら言葉を口にする。
「………」
くだらぬ質問に答える筈もなく、相変わらず空を眺めたまま沈黙の空気。
「…それじゃ、失礼しま…」
「跳ね馬。」
立ち去ろうとして腰を上げたと同時に突然返って来た言葉。
「…え?」
「………」
あぁ…さっきの答えか…
あんな質問に答えてくれるなんて珍しいな、などと考えつつも"聞きたくなかった"と、矛盾した想いを感じていた。
(ヒバリの口から…跳ね馬なんて…)
愛しい口から零れる憎い言葉。
その名を聞いただけで深い嫉妬の念に駆られる。
「哲。…他に聞きたい事は?」
「あ、いえ。何も…。……?」
今、なんて?
「何?あるの?ないの?」
少しイラついた声を出す。
「あの…今、なんと?」
「他に聞きたい事は?って言ったんだけど。何度も言わせないでよね。」
眉をひそめ不快感を露にする。
が、そんなヒバリの態度さえ目に入らぬ程脳内は混乱していた。
「そうじゃなくて!…今…"哲"って…」
そう言うとヒバリは一瞬恥ずかしそうにして、そしてすぐに顔を背け
「…僕が君をどう呼ぼうと勝手でしょ?…………嫌なの?」
と言った。
窓に写ったヒバリの顔がすごく愛らしくて…いや、その後ろ姿でさえ愛しくて…
「いえ、嬉しいです。恭さん。」
跳ね馬とは違う形でオレもこの人に必要とされてるのだと理解した。
いつかは…恭さんの心の中に跳ね馬よりもオレの存在が多くあるようにしてみせる。
けれど、今はまだ…このままで…
-END-
「ところでさ…」
「はい?」
「…恭さんって…何?」
「嫌ですか?」
「………勝手にすれば?」
ホントに終わり。