ヴァりあ

□アナログ派マフィアX
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こんばんは。ただいまの時刻AM4:36でございます。ついさっき寝付いたばっかりなのにバカボスに呼ばれました。こんな時間に呼ばれたんです。きっとろくな理由じゃありません。


「で、いきなり呼び出して何ですか」

「おまえ報告書はどうした」

「出しましたよ、メールで」

「………………」

「なんですか。届いてる筈ですよ、メール」

「…ほ、報告書は紙しか認めねえ。ボ、ボンゴレの歴史がそう語ってる」

「今現在本部はデジタルですよ。ここだけです、アナログは」

「るせえ、ドカス。報告書を出せ」

「とりあえず携帯開いてください。それじゃあ私は寝ます」

「ま、待て!」


せっかく出口に向けた足をまたボス側に戻して振り向くと、携帯を手にしたボスが固まっていました。やっぱりろくなことありません。


「この携帯を使い、俺にメールを提示してから行け」

「なんでですかめんどい」

「柿本かてめえは」

「え?」

「なんでもねえよ。ほら、さっさとしろ」


ぐい、というかぶす、と顔に携帯を押しつけられています。痛い、まじで痛いです。ていうか、ボスは携帯使えないくせに最新機種持っているじゃありませんか。まさに何とかの持ち腐れです。私なんてもう二年機種変していません。


「使えないなら私にくださいよこの携帯」

「誰が使えねえなんて言った。電話ぐらいできる、本来ならな。だがこの携帯は不良品でアンテナが見あたらねえだから使わねえだけだ」

「アンテナなんて現代の携帯に付いてるわけないじゃないですか。メーカーのせいにしないでください」

「馬鹿にしやがって。この俺に黙って世界からアンテナを消すなんてな」

「…あ、凍ってる間にアンテナが…」


舌打ちをしたボスは、私の隊服のポケットから携帯を奪い取り、折ろうとしている、気がする。やめてくださいほんと、少ない休暇でやっと機種変えたやつだし思い出だらけなんですから!ボスにお酒ぶっかけられて水没しそうだったときとか。スクアーロと一緒にボスが投げたソファに直撃してサブディスプレイにヒビ入ったとき。ボスに焦がされそうになったときとか。って、あれ?


「ボスとの話ばっかじゃん」

「そんなに俺がすきか。でも残念、付き合ってやんねえよ」

「いや、ボスがいかに私にひどいことしてるかの話だよ。自惚れるし携帯使えないしダメボスだなほんと」

「…てめっ!くそっ、明日からア●バ通って携帯完璧にしてやっからな!」

「ボス、それパソコンの勉強するとこですから」






メール<文通



(だから任務中の通信手段がトランシーバーだけなんだ…)(狼煙もあるだろがカス)(ボス、私転職しようかな)






090926

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