いなずま
□おにいちゃん
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「お兄ちゃん!私教育大うかったよ!」
兄と食事いうこと春奈はめかしこんでいる。
「おめでとう」
「先生になってサッカー部の顧問になるのっ」
「教師はおまけってことか」
からかうとむくっとふくれた。サッカーだけでなく、情報の大切さをも教えたいそうだ。
「最近の若者は新聞を読まないっていわれてるでしょ。だから生徒が新聞って楽しいと思えるように社会を教えたいの!それとねっ」
自分の将来を生き生きと語る妹。
月日は早いものでで、泣き虫だった少女は一人で歩こうとしている。
中学のときに会った時も成長したなとは思っていたがそれでも当時はもっとお兄ちゃん、お兄ちゃんとよくいっていた。
「ねぇお兄ちゃんきいてるー?」
「あ、ああもちろん」
一呼吸おいて、俺はまじめな声で言った。
「春奈」
「なぁに」
「お兄ちゃんとよぶのはもうやめろ
」
「え?なんで?」
「恥ずかしいからだ」
「わたしが妹だといやなの?」
そうじゃないと首を横にふった。
「じゃあどういうこと?お兄ちゃんはわたしのお兄ちゃんでしょ?」
そんなことをいってくれるのはうれしいが、俺は一度「赤の他人よ!」といわれたことがある気がするのだが・・・・。
「お前はもう大学生になる。大人になる。教師になるお前が兄をお兄ちゃんと読んでたら恥ずかしいだろう。」
「そんなことないよ!」
「今はわからないだろうが社会にでたら・・・・。」
「じゃあどうしたらいいのっ」
「だからお兄ちゃんはやめて・・・・・兄さんにしなさい。」
「兄さん・・・・。ぷふっ」
「何がおかしい・・・?」
「でもね兄さん、もうしばらくお兄ちゃんってよびたいな。」
「すきにしろ。」
「そうだお兄ちゃん、私入学式にきるスーツをみたいんだけど一緒に探してくれる?」
あと何回お兄ちゃんとよんでくれるのだろう。兄さんと呼ばせるのは正直寂しい