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□束の間の一時
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「うん、だから?」
「…〜っ/// 『だから?』じゃなくて、少しは考えて下さいっ!」
「〜♪」
「ちょっ…!ラビ、放してっ///」
「イヤさぁ〜♪」
アレンの抗議を軽く受け流し、ギュッと握った小さな手を放さないよう、オレはそのまま自分のポケットへと仕舞い込む。
チラリと隣を見ると、少し俯き気味に黙り込んで隣を歩くアレンの姿があった。
(んー…、苛めすぎたさ?ι)
あまりにもアレンが黙ったままだから、オレは少しやり過ぎたかなと思い 立ち止まる。
「アーレン、そんなに嫌さ?」
「…え…?」
「オレと手ぇ繋ぐの、そんなに嫌?」
「…///」
オレの言葉にアタフタとなるアレン。でもまた直ぐに顔を赤くして俯いてしまった。
「…、アレンが嫌なら もうしない。」
そう言って軽く握っていた手を放し、ソッとポケットから抜く。
一瞬 顔を上げたアレンの銀灰色の眼は不安そうに揺れていたけど、オレはソレを見ないフリをした。
そのまま寂しくなった手をまたポケットに戻し、1人 前を歩く。
でも直ぐにトタトタと走って来る足音と、ギュッ…と勢い良くオレの腕に抱き着く温もりに、オレの頬は少し弛む。
「らびっ!」
「ん…?どしたさ、アレン。」
必死で弛む顔を抑え、何時もの平然とした顔でアレンへと振り返る。