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□溢れる愛で 君を包みたい
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辺り一面が真っ白で…





やっと見つけたあの子は、

今にも消えてしまいそうなほど儚かった
















ガヤガヤと騒がしい今日はクリスマス。
そして人一倍寂しがり屋な、オレの可愛い恋人の誕生日。
本当は0時丁度に「おめでとう」って言いたかったんだけど、生憎任務が手間取ってついさっき帰ってきたばかり。早くあの子に会って、抱き締めて、大好きだよと笑って囁きたい。



それなのに……──



「アレーン、何処に居るんさー」



部屋にも食堂にも居ない。まさかと思ってオレの部屋も書庫も捜してみたけど、人が居る気配すらしなかった。
はぁ…、と盛大な溜め息を吐きながら窓の外を見ると、白い小さな粒がはらりはらりと降り積もり、辺り一面が銀世界へと移り変わっていく。これはどうりで寒いわけだと思い外を見ていると、僅かに白が動いたように見えた。



「…っ……!」



後はもう自然に身体が動いていて、気付けばオレは小さなブランコのある中庭へと全力疾走していた。


 
 
 
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