おお振り小説

□恋心行路
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青く澄み渡った空、待ち焦がれながら整備したマウンド。だけどそこで出逢ったアイツは凄く陰欝な奴で、俺はまた癖の強い投手を相手にしなくてはいけないのかと、その時は始終金槌で頭を殴られているかのように頭痛を感じた。





「だっからお前はなんでそう腕に負担の掛かることばっかすんだよッ!!」
「あ、あべ…く……」
「んなもん田島にでも泉にでもさせりゃーいいだろうがッ!」
「で、でもっ……!」

勿論出逢って数ヶ月経った今でもそのイメージは消えない。それどころかどんどんコイツの悪い部分が見えてきて。だけど三星との試合をして以降、俺の中でコイツに対する何かが変わった。

「でもじゃねぇよ!お前は投手としての自覚があんのか?!」
「…うっ……うぅ〜……っ…」

あー、ほら。また直ぐに泣く。

違うんだ、俺はオマエを心配しているだけで別に怒っているわけじゃない。それに声を掛けたのだってただオマエの持っている物を少しでも減らしてやろうと…… ああくそっ!なのになんで伝わんねぇんだよ!

「おらッ いいから行くぞ!」

本格的に泣き出そうとする三橋の手から持っていた教材を全て奪う。だが振り返ると俺達はそこにいる奴ら全員から注目を浴びていて、流石に廊下の端で騒いだのはマズかったなと今更になって後悔した。それから慌てて三橋の左手を掴んでその場を離れる。

「―いいな!次から教師に何か物頼まれて運ぶ時は全部手伝ってやっから、何があっても必ず俺に言えよ!分かったな?」
「……っ……うん、…!」

ガツガツと早足で歩きながら言う俺に三橋は一体どんな表情で返事をしたのか。そんなもの背中に目が無い俺には分からない。
ただ冷たさしか感じてこなかった掌に僅かな熱が伝って、何故だかそれが俺には酷く嬉しいことのように感じた。







              





(やっぱり阿部くんは優しい、な!)





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阿→三に見せ掛けて、実は阿→←←三♪

イ、イチャイャとか書けな…い……(泣)


2010/11/10
 

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