おお振り小説

□あのー、そこのお二人さん?
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「―― くしゅんっ!」

静かな空間に可愛らしいくしゃみが響く。栄口は古典の参考書から視線を外すと、隣で恥ずかしそうに口元を押さえる恋人にくすりと微笑みかけた。

「三橋、寒い?」
「あ、ぇと……」
「うん?」
「すこし だけ、」

そう小さく小さく言った後にまたくしゅんとくしゃみ。これはいよいよ危ないなと栄口は思考を巡らすと、着ていたグレーのパーカーを脱いで三橋の華奢な肩にふわりと掛けた。

「終わるまで着てていいよ」

言って、目の前の綿菓子のような髪の毛を一撫で。すると三橋はそんな栄口の様子に目をぱちくりと瞬くと、だけれども直ぐにふひっと頬を赤らめて。その柔らかな表情の彼に「ありがとう」と同じように微笑みを返した。







  あのー、そこのお二人さん?





((ココ、図書室なんですけど!!))





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ただイチャイチャさせたかっただけのお話


2010/1/5
 

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